10/08/06

あたしは前に進む。
それが失うことでも、絶対に。
自分の弱さに負けたりしない。

「おまえはめちゃめちゃ幸せになるよ」
「なんで」
「俺がめちゃめちゃ、願ってるから」

彼は笑って言った。あたしも笑った、まるでなにも変わらないように。

「ありがとう」

おやすみ、を交わして、電話を切った。あたしたちは今まで重ねてきた争いに、もう意味のないことをわかっていた。

あと一回だけ泣いたら、もう、大丈夫になるだろう。

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