11/06/16

「選びなさい」

そう言った、内心馬鹿にしていた占い師の前で、あたしは情けなく泣き出してしまった。

悲しいほど、答えは出ていて、

憎らしいほど、胸が高鳴る。

過去は消せない。いくら消したつもりでも、あたしがあたしである限り、過去だ。

この現在が一体どうやってこうしてあたしと彼を強く引き合わせるのかはわからないけれど、過去があったからだと言われたら少しは納得できる。

あたしはこれよりもっと前に進みたい。できないことがあるなら、できるようになりたい。

気が強くて、頑固で、負けず嫌いで、ひねくれ者。

「あたしはもう選びたくない。できることなら、このまま何となく流れに任せて、それで、忘れちゃいたい」

「でも選ばないことには、前に進めない」

悲しくて仕方ない。

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